2010/08/18
「小川糸「食堂かたつむり」」 |
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という本を読んだ。 と言っても、この作品も作者の存在も実は知りませんでした(汗) けど、「運命」を感じたんだよね。 ある日、本屋をフラフラしてたら見掛けてタイトルが気になったから手に取ると 帯にはマサムネのコメントがあるではないかっ! なので、「文庫で出てないかな?」と探してみると(貧)、 幸運にもあったので即購入♪ で、今、読んでない小説が結構溜まってるんだけど 「100回泣くこと」の次に手に取ったのがコレだったんだよね。 ストーリーは主人公の倫子が同棲してたインド人の恋人がある日、 家財道具一式と共に姿を消すところから始まる。 茫然とした倫子は母親と確執があった為、それまで帰ることなど無かったが 全てを失った倫子が頼れるのは実家しかなかった。 また、恋人・家財道具だけでなくショックから言葉まで失っていた。。。 そんな倫子と母の生活はやはり普通の母娘とは違った。 と言うのも倫子は不倫相手との間に生まれた子供と言われていた。 また、名前の由来も「不倫相手との子だから」と言われていた。 しかも、その相手との姿を子供の頃から見てきた倫子はどうしても母に嫌悪感を抱き、 また、母も自ら距離を置き、倫子がずっと料理に関するバイト・仕事をしてきた経験を生かし、 実家の離れでレストランを開業すると決めた際にもしっかりと家賃を取り、 更には母が飼っていた豚、エルメスの世話をすることを条件とするほどだった。 そうして生まれた1日一組限定「食堂かたつむり」の開業に当たってお世話になった 熊さんが1人目のお客として招いた。 倫子が「1日一組」と限定するのには「お客様に満足してもらう」というこだわりからで 当日までに面接やメール、FAXにて何度もやり取りを繰り返し、 その人に合った最高の料理をおもてなしするということからだった。 そして、1人目のお客となった熊さんは出されたカレーに感激すると共に ある日突然出て行ってしまった外国人の妻シニョリータが荷物を取りに来ただけだが 戻って来たことで「もう一度会えた」と満足する熊さんから徐々に口コミで 「食堂かたつむりで食事をすると願い事が叶う」と言われ、経営は上々だった。 しかし、母との確執は同居をしても消えることなく距離を置いて過ごしていたが、 ある日、母の営むスナックでのパーティーに参加した際に 子供の頃から「愛人」とされていた地元の有名企業の社長とは肉体関係がないこと、 また、高校生の頃に一つ上の先輩と交際し、結婚の約束までしていたのに 先輩を追いかけ、自身も京都の短大に進学するも先輩は引っ越した後で そのまま音信不通となったが、今でもその先輩のことだけを想い、 「高校卒業するまでプラトニックな関係でいよう」と約束したまま 「先輩と以外は考えられない」と誰とも肉体関係を持ったことがないこと、 自分が水鉄砲での人工授精で生まれたことなどを知り、母を見る目が変わっていく・・・ しかし、ある日、お風呂に入っていると突然母も入って来て衝撃的な話を聞かされる。 それは自分が癌に侵され、余命が半年ということだった。 けれど、母はそれに落ち込むどころか偶然にも診察に行った病院の医師が初恋の相手で もう一度会えたことを心から喜び、そして先は短くても結婚することになった。 そして、母は披露宴での料理を倫子にコーディネートしてもらうようお願いする。 更に・・・ 母がいなくなった後、エルメスも悲しむであろうということで 披露宴での料理はエルメスを使うことになった・・・ そして、母も死去・・・ その後、しばらくは無気力になっていた倫子だったが次々に 自分の知らなかった母の自分への愛情を知り、 母をずっと憎んでいたことを後悔するが、その思いが倫子を再び料理人として立ち直らせ、 しかも、遂に声が出るようになった・・・ って、あらすじが長過ぎだね(苦笑) けど、「100回泣くこと」の中で「焦点を絞って欲しかった」と書いたけれど この作品も同様のことが言えるくらい倫子の波乱万丈な人生を描いているが、 読めば読むほど入り込んで行き、最近はもっぱら「読書は移動中にするもの」と、 家で読むことなんてなかったのにコレに至っては先が気になって気になって 今日は気づけば最後まで読んでいたという・・・(苦笑) 母親との確執、癌。 対象は父だけど自分と重なる部分があったし、 倫子の「食堂かたつむり」に懸ける思いや、生き方。 昔・・・いや、今も奥底ではあるかな。 ある程度の年齢に達した時の話ではあるけど。 要は俺の理想そのものなんだよね。 中学くらいの頃から思い描いてたんだけど。 最近「スローライフ」って呼ばれてるやつ? 「早くに結婚して子供を作って、その子供が巣立ったら 残りの人生は妻と小さな店を開き、儲けなんていらないから 妻と二人のんびり細々と暮らして行ければ」って。 中学生がどんな妄想を描いてんじゃい!って感じだけど(笑) しかも、今では結婚願望ゼロで「まだまだライブバカしていたい♪」って まるっきり違う人生を歩んでるけど(笑) でも、だからかな。 こんなにも主人公に自分を投影した作品があっただろうかってほどに 入り込んで最後は一気に読んでしまった。 ちなみに正に今日なんだけどこの作品が映画化されていて、 もうじきレンタル開始であることを知った。 ん〜。観るべきか、観ぬべきか。 原作がいいとその葛藤があるんだよね。 興味は津々なんだけど、壊されたくない思いもあるし。 迷うなぁ・・・。 コレは余談。 ってか、通じる人ほとんどいないけど。 この作品の作者は「小川糸」さんと言います。 君津人の7〜8割はパッとこの文字だけ見せられたら 読み間違いすることだろう・・・(笑) そんな小川糸さん。 他にどんな作品を書いてるんだろうか? あの世界観。他の作品にも興味湧く♪ |
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映画 食堂かたつむり こんばんは( ´∀`)今日は連休2日目でしたが、いかがお過ごしでしょうか。明日もお休みでうれしいですね今日は、映画《食堂かたつむり》を見ました主演は柴崎コウです小川... by 100の実行。 at 2010/09/19 21:45:29 |