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2010/06/07
「辻 仁成「サヨナライツカ」」
原作:辻仁成、主演:中山美穂で映画化され、
「夫婦共同作品」で話題になった「サヨナライツカ」の原作を読んだ。

正直、話題になってもさほど興味はなかったんだよね。
けど、ある日、書店を訪れた際に読みたい小説がなくて、
でも、何か無性に読みたい気分でブラブラしてたら裏表紙の解説に
KANの「50年後も」と「悲しみの役割」が重なり読みたい衝動に駆られ
手に取ったという流れだったりする。

ストーリーは語れば長くなるのでオフィシャルサイトを参考に。  

原作は二部構成になっている。
一部では次第に惹かれ合いながらも豊自身も結婚を選択し、
沓子もまた身を引くことを決心するという切ない場面がありつつ、
官能的な描写中心なのもあってか「自業自得」。
そんな言葉が浮かぶものだった。

しかし、2人が別れてから25年経った二部。
良妻賢母な光子と2人の息子に囲まれた幸せな家庭、
仕事でも順調に出世し、副社長にまでなっていた。

だけど、どこかポッカリと開いたような心の穴。

たった4ヶ月の恋。
しかもその内の半分くらいは「ゲーム」のようなもの。
だけど確かにお互いに惹かれ合っていた。
決してそれを言葉にすることは出来なくても。

「始まり」も「終わり」も2人で決め、その答えに後悔はしていないだろう。
だけど忘れられない想い。
未練なんかではない。素敵な思い出とも違う。

「気持ちを押し殺す」

自然な気持ちの変化ではない。
意図的に気持ちを変化させたもの。
そんなものは心の奥底で生き続けるんじゃないだろうか。

「あるべき姿」の前に広がる生活も確かに幸せ。
だけどふとした拍子にソレが目を覚ますこともあるんじゃないかな。
それは「下心」なんてものとは程遠い「純粋」なもので。

答えは自分の心の中に留めておくだけでいいので
結婚の有無に関係なくパートナーがいる人に問いたい。
今、隣にいる人があなたの人生で最も愛した人ですか?

事情を知る者、事情を知らない者。
豊を想い、生涯独身を貫いた沓子に対する意見は様々だろう。
でも、俺は思う。
例え、独身であっても、最期は1人でこの世を去っても、
人生を終える時に思うのは「愛されたこと」だと言い放っていた
沓子が最期に思ったことは「愛したこと」。
そう思わせた豊と出会えた沓子の人生は幸せそのものだと。

恋なんて数ではない。
生涯ただ一度でも人生を変えるほどの出会いがあればそれは奇跡。
幸せのカタチなんてものは人の数だけあるのだ。

だから俺も・・・

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)
辻 仁成
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