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少女とガソリン | 【演劇・映画・ドラマ・本】 | カレッジ・オブ・ザ・ウィンド

2007/07/09
「きみがいた時間 ぼくのいく時間」
キャラメルボックスでお馴染みクロノス・ジョウンター物です。
公演でも幾つかのストーリーを観たし、原作も読んだけど
まだモチーフになった話があったのね。
アレやコレや混じってワケ分からなくなってたけど(苦笑)

で、当然他と同じくタイムトラベルを描いているし、
初めの内はさすがにマンネリも感じた。
けど、タイトルにもなっている(短編集なのだ)コレ。
危うくバスの中でボロボロ泣くところだった。。。

愛する女性を救う為にタイムスリップする。
正に「クロノス」がそうだった。 
 
ただ、このストーリーはタイムスリップしてすぐ「その時」を迎えるのではなく
39年前に飛んでしまう為にただひたすらその時を待つしかない。
そして、いざその時を目前に迎えると皮肉にも病魔に侵され
自らの手で救うことが出来ないという辛い現実に直面。

そして彼が取った行動はもう1人の自分に託すことだった。
「ほんの少しだけ彼女と二人きりにさせて欲しい」という願いと共に。
しかし、彼の願い通り未来が変わったことで彼が過去へ飛ぶ歴史も変わってしまい
彼女に会うことなくその姿がその場から消えてしまう・・・

これぞ正しく悲しくも優しい「切ない」ストーリーじゃなかろうか。
初めは「彼女と会いたい」という申し出に不信感を抱きつつ共に訪問したが
「彼」の話を疑うことなく信じ、薄れゆく姿を見て彼女を急いで呼びに行く。
しかし、戻った時には既に・・・

正確には「タイムトラベル・ロマンス」と称されているけど
時代を超えても変わらない想いとこれから時代を超えて行こうという
互いの強い想いに心打たれたし「ロマンス」の要素が強く描かれていたかな。

それにしても例え彼女が助かっても添い遂げるのは自分であり、自分ではないのに
39年もの間、そのことだけを思い続け、果たし、
そして静かに消えていくのはやっぱり悲しくも優しい。

きみがいた時間 ぼくのいく時間-タイムトラベル・ロマンスの奇跡-
梶尾 真治
朝日ソノラマ
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