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ボフッ・・・

降りしきる雨の音と共にその音は響いた。 「まさか!?」と思いながら 窓の外を覗くと一台の車と倒れた人。 そう。会社の目の前で人身事故があったのです。 今夜の千葉は生憎の雨模様。 時刻は18:00。外は真っ暗。道路は渋滞。 それを見た瞬間唖然としました。 そして震えが止まらなかった。 と、言うのも僕自身も友人の車に乗っていて 事故を経験した事があったのです。 その日もこんな雨の降る日でした。 深夜のドライブ中にカーブを曲がり切れず電柱に激突(写真) ドライバー:エアーバックにより無傷。 助手席(女性):割れたフロントガラスを浴び顔中傷だらけ。数ヶ所骨折。 後部座席(ドラ):意識不明・・・ 頭が切れていた為に頭のてっぺんから靴の先まで血だらけ。 別の車に乗って共に行動をしていた友人によると 吹き出た血が前の席にまで飛び 名前を呼び掛けても「スゥ〜」っと息が漏れてくだけで 反応が無かったようです。 今、こうして日記を書いている訳だから もちろん無事だった訳ですけど トラウマと言う大きな傷が残りました。 自らが運転する最中に震えあがってしまったこと。 友人の車にて発狂し取り乱したこと。 挙げればキリがありません。 身体にも傷は残っています。 額から頭部にかけて9針も縫ったわけですから。 頭部の傷。すなわち禿げ。 大学病院にて手術もしたけど消えなかったのです。 傷口を深めに切り開き 内側から一針一針細かく丁寧に縫ってゆく。 ちゃんとに麻酔効いてるの? メスがグサッと入る感触。 メスでズズッと切る感触。 針を刺すチクッという感触。 糸がス〜ッと通る感触。 その度に脂汗が流れる程の激痛が走る。 生温い血が頭から滴り落ちてゆく。 シーツを握る力が強くなってゆく。 三時間近くに及んだ手術。 一体、何針縫ったのだろう・・・ 目・口以外は包帯でグルグルに巻かれ周りからは白い目で見られた。 一時間程の道のりを自らの運転で一人帰宅。 帰宅後一人で泣きました。 悔しくて・・・ 話しが前後するんですが 相手は友人。 もちろん笑顔で許しました。 しかし、問題はそこから始まったのです。 事故当時、僕は1週間入院しました。 その間、友人はもちろんのこと その両親も大変気遣ってくれました。 それが退院したらどうでしょう? 警察の僕への事情聴取が終わると一気に態度は豹変。 辛かったです。落ち込みました。 だって相手は親友だったのだから・・・ 意を決して自分の思いを全て打ち明け 一旦は解決するかに思われたものの 結局、相手は一向に変わりを見せてはくれませんでした。 「助かって良かった・・・」 と、泣いてくれた友人がいる中で 「俺、事故っちった♪」 と、笑いながら友人に面白おかしく話す彼。 負担をいかに軽くしようかと裏で工作していた親。 信じられないような行動を次々と起こしていった。 友人だけならともかく親までもが。 えぇ。他にも色々なことがありましたよ。数え切れないほど・・・ 最も許せなかったこと。 もう一人の被害者である女の子は顔中に傷を負っている。 それは彼も申し訳無く思っているらしい。 しかし・・・ 「相手の父親に殴られるのは仕方ない。けど2発目が来たらやり返す!」 結局、彼らの詫びなんて形式でしかなかったのです。 保険屋さえも騙していたのですから。 その時、生まれて初めて本気で人を憎みました。 そして縁を切りました。 人間にとって一番恐ろしい感情さえも芽生えました。 「自分が20年間で築いたものなんてその程度なんだ・・・」 「人なんて信じてたら自分がバカを見るだけだ・・・」 「こんな思いするくらいならいっそあの時あのまま・・・」 当時は常にそんなことを考えてました。 色々な人の支えもあって今は笑っていられます。 しかし、心の傷も身体の傷も消えることはありません。 忘れた頃に「後遺症」と言うものが襲ってくることもあります。 こんな思いをする人が他にもいることが耐えれません。 今はただただ今日の被害者の方が軽症であることを祈るのみ。 今の僕は確実に油断しています。 どこかで自分の運転を過信しているんでしょう。 今日見た事故と自分の事故。 今一度運転のあり方を考え、二度と起こす事の無いようにしよう・・・ 正直言って今現在、相手に対して憎しみの気持ちが 無くなったと言えば嘘になります。 けど、いつまでも引きずってもいられません。 日々、仕事・生活をしていかなればならないのだから。 何はともあれ今こうして生きている。 あの事故を機に細心の注意を払うことによって 落としていたかもしれない命が助かったとしたら? うん。これはいい経験だったんだ。  この事故でもう一つ辛かった事。 それは親の事です。 ようやく意識が戻った僕の目に真っ先に飛び込んできたものは 目を真っ赤にした親の顔でした。 普段は憎まれ口ばっか叩いてる僕の口から 真っ先に出た言葉 「心配かけてゴメン・・・」 その目を更に赤くさせ 「何、らしくないこと言ってんの」 そう言いながら笑おうとした親の顔。 辛かったです。 20年目にして初めて知った親のありがたみ。 親孝行という新たな課題。 うん。これはいい経験だったんだ。 でも二度とこんな経験したくは無い。 ************ 読んでくれた方へ ************ 不快な思いをさせるような部分があったことをお詫びします。 しかし、HP開設時からいつかは書こうと思っていました。 ネットとは言え、この1年数ヶ月という期間で 大切だと思える多くの人に出会いました。 そんな大切な人にこのような事が起こるのはイヤです。 こんな事故は稀に見る例。 以前の僕はまるで他人事のように思っていました。 しかし、こうして自分の身に降り掛かっている。 他人事ではありません。 次は自分の番かもしれないのです。 事故の恐怖をリアルに感じてもらうためにも 生々しい発言もそのままに綴りました。 くれぐれも気を付けて無事に過ごして欲しい。 僕の願いはそれだけです。 ********************************* P.S 当時の事を思い出して書いただけで     今は全然平気です。     そんな訳で、うっひょひょ〜ん♪ドラでした!←ホラね?(笑)